盆の棚経
 棚経とは元来 精霊棚を縁側に作って仏壇の中においてある位牌を総て出して、もしかして餓鬼となられた霊を沢山に御馳走を出して供養する日なのです。自分の家の仏様がまさかの餓鬼になっていたら大変です。年に一度の餓鬼の供養です。自分の仏様だけでなく彷徨っている他の餓鬼を供養することが、いつしか もしかして餓鬼となった自分の家の仏様が助かる可能性があるからです。なぜなら餓鬼になると自分の家すらわからずに フラフラしているから、他の家の人から供養を受けて 成仏できる可能性があるからです。いやいや自分の家の仏様だけと思っていると いつしかその人そのものが もう餓鬼の心になっている。また全然供養もしないでほっぽらかしの人は必ず餓鬼道に落ちてしまいます。。。。
 相手の苦しみを知って助け出してあげましょう。
 けっして親戚が挨拶にきて御馳走を食べるだけの日でもないのですからせいぜい 仏様に御馳走を作ってあげましょう。 
お盆は八月十三日でないといけないと思いこんでいる人がいるようですが、旧暦の七月十五日に修行僧が山から修行を終えて帰ってくることから、十六日に村中が集まって 供養の品 食べ物を持ち寄って山積みにして その周りを修行の僧がクルクルとお経を読みながら回ったことからが始まりで、今では盆踊りという形で日本には残っています。お経が歌になり踊りになったと 記されています。
十三日・十四日・十五日はその準備期間であったわけです。
 七月の十六日から十月の十五日までを制間といい、修行僧はお休みの日なのです。山から下りて来て一番心が静寂な時にお経を読んでもらわないと 餓鬼の成仏ができないというので この日となったわけです。出来うることなら、あまり日にこだわらず、住職が気持ちよく 読んでもらえる日が一番よき日ではないかと思います。ほんとの意味で仏様を救う気持ちがあるのなら、まずは余所の霊を供養して自分の家の仏と思うようにするが、餓鬼佛を成仏できる早道というものだと私は思います。けっして 各檀家さんの家の仏様が餓鬼佛になっているのとは申しておりませんので誤解がございませんように、あくまで、もしかしたらの心でお盆はお迎えくださいませ。