かなり更新が遅れました
●苦心の末 2/22
ある家の奥様は大変犬を可愛がっていました。風呂にはいるのも 飯を食べるのも一つの器で 夜寝るのも とにかくいつも一緒でまるきり 畜生と同一の生活をしていたのであります。
ある 三次郎という利口だけど貧乏性の男が この奥様からお金を借りようと考え奥様に取り入るなら 人が将を得んと欲すればまずは馬を射よ との 軍法のおしえどおり その愛犬を可愛がってやるのが一番と考え この家に来るやいなやまず 犬の頭を軽く撫でてやり、とにかく 犬をべたぼめして 誉めて誉めて誉めまくっていると、犬がすーーーっと顔をつけてきて三次郎の口をねぶり始めたではないか。三次郎は犬が大嫌いでねぶられるたびに背筋がぞーーーっとして生きた気がしないほどでした。でも我慢して我慢してここが辛抱のしどころだと自分に言い聞かせてねぶられていました。
すると 家政婦に・・・これ 早くうがい茶碗をもっておいで・・・・という
三次郎は我慢しながら 心配には及びません おいぬ様の口も私の口も何も変わることはありません。
すると 奥様は・・・・・三次郎とやらおまえはよっぽど増長しているね。おまえのうがい茶碗ではないよ。と言いながら いぬの口を丹念に洗ってうがいをさせました。
これには三次郎もさすがに うんざりしたそうだ
●貧乏一幅對 2/22
ある寒い日に裸一貫の貧乏人がただそこに寝ころんでいたけど、どうも寒くて耐えられない
亭主
これ カカアや 何か懸けるモノはないか?
カカア
ハイ そこに釘の折れたのがありますよ。。。。。。。。
あるところの貧乏浪人は と ある米やに行き・・・・・
浪人
これ 米や 上白米はあるか?
米や
ハイ この上白米は本日初めて売り出しましたので 今日うちで炊いてみました。。。そしたらなんとおいしいことか
浪人
うーーーーん しからば その冷や飯を出してくれ。私が 味見をしてあげよう。
●閻魔さんの借金 1/22
この頃 あちらにも説教がありこちらでも講演があって 段々と仏教が隆盛なるにつけ極楽は誠に繁盛するが、これに反して地獄は とんと不景気である。
そこで地獄の総大将の閻魔大王がお盆の 払いに差し支えるといふので 急場を凌ぐため 愛嬌の良い賽の河原の地蔵菩薩を頼まんと わざわざ賽の河原に行って 地蔵さんに向かって
閻魔
「もし 地蔵菩薩 拙者のとこはこの頃 不景気でことに物価の騰貴でやり切れません 何卒 金子を百両お貸し下さるわけには参りますまいか、返済の儀は何年何月何日衣奪婆さんを証人に立てることで御座る。もしこの願いお聞き下されば尽未来際其の大恩は決して忘却いたしません。」
と言葉を低くして頼まれますと 地蔵菩薩は一伍始終を聞き気の毒に思い いよいよ貸そうとせらるるとき、ふと思い出した
地蔵
「そりゃ、貸しもしようが 一体全体おまえさん 返すときにどんな顔をしなさるか」
と言われて これには 大王も閉口してしまったとのことでした。
●貧乏神のお馴染
あるところに遊んでいて、うまいものを食べ 良い着物を着て 金を沢山持って 幸せにしたいと言う 随分 欲の深い奴がいた。
しかしながら なかなか そうは問屋がおろさず、一年中貧乏ばかりして一日ゆっくりとすることはなかった。しかしある年の十月に この怠け者が思うようには、この月は神無月で日本中の大小神祇の神々は悉く出雲の大社へお集まりになるという事であるが、我が家の貧乏神はどうも出そうにないと、ある夜 神棚にむかって
一首の歌を詠じた。
(怠け者)
「十月は何処の国も神無月 貧乏神はなぜにまします」
とやると・・・・コハ如何に ソモ如何に、顔色いと黒く 頬骨突き出て 胡麻塩鬚のぼうぼうとはえしげりし、皮骨連立の貧乏神がボーっと現れて、
(貧乏神)
「朝寝して仕事嫌いで 酒好きで 心やすさに 常宿にする」
と返歌したれば 怠け者は癇癪玉を破裂させて
(怠け者)
「たまさかは 余所へも 行きやれ貧乏神 一生添えとの 約束はせぬ」
と返したるに 貧乏神また 云う
(貧乏神)
「今更に 行きやれ行きやれと おっしゃれども わたしゃ おまえに 二度も三度も」
と 詠んだとのことである。
お互いに貧乏神と心安くならぬように ご用心ご用心